中国刑法における伴侶動物の保護 現状と今後の展望

論文概要

 

現在の中国の法制度には包括的な動物保護法が存在せず、動物虐待に関する犯罪は刑法では具体的に規定されていない。このため、伴侶動物を保護する法的枠組みは、故意による器物損壊や窃盗、有害物質の放出など、人間の利益を守るための法規に依拠しており、これは動物保護が間接的なものであることを明確に示している。

本研究では刑事裁判となった事例を体系的に検証し、中国刑法の下での動物保護の現状を分析し、こうした保護には根本的な限界があり、あくまで付随的あるいは事後的な対応に過ぎないことを明らかにする。

研究の結果、現在の枠組みは人間中心主義的なものではあるが、既存の法令には未だ活用されていない重要な可能性が存在することが明らかになった。本稿では具体的な対策として、情報ネットワークの違法利用に関する罪とこれに関連する犯罪の規定を活用し、動物虐待メディアの制作や販売、流通に関する規制における重大な空白に対処することを提唱する。

多くの国々では動物保護を目的とした法整備を短期的には見込めず、立法上の空白に直面しているが、上記のような実務的な対応策はこうした国々において一つの指針となるものであり、動物福祉を守るために既存の刑事法理をより有効な形で運用することができる。

 

原文タイトル:Protecting Companion Animals Under Chinese Criminal Law: Current Practice and Future Paths

論文著者:Chunyan Liu, Da Su, Anzi Nie

公開日: 2026/07/08 

論文URL:https://doi.org/10.3390/ani16142119

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