代替ミルクに対する態度と消費の動機 ドイツの青少年を対象としたインタビュー調査

論文概要

 

背景: 牛乳の代わりに代替ミルクを消費することは、環境問題の現状に取り組むうえで役立つ可能性がある。プラントベースの代替ミルク(PBMA)や、精密発酵技術による代替ミルク(「アニマルフリー(動物性原料不使用)のミルク」、AFM)は、牛乳に比べて持続可能性の高い代替製品となり得る。そこで本研究では、若年層がこうした代替ミルクをどう捉えているか、またこれらを消費する/しない動機を分析した。

方法: ドイツの青少年25名(平均年齢 17.6歳)を対象として半構造化インタビューを実施した。データ分析には質的コンテンツ分析を用いた。

結果: 本研究に参加した青少年の参加者は、PBMA が健康的で環境に優しいものと認識しており、PBMA に対して肯定的な態度を示した。また、AFM に対する態度も概して肯定的であり、AFM は環境に優しく、牛乳を代替する適切な製品と認識していた。若年者がこうした代替ミルクを消費する動機は、動物福祉と環境保護であった。一方、代替ミルクの消費を阻む要因は、PBMA では(色・味・香りなどの)官能特性、AFM では食品の安全性に懸念があることであった。

結論: 代替ミルクに対する青少年の態度は概して肯定的であり、これは代替ミルクには健康や環境、動物福祉の面で利点があると認識されているためであった。しかし、代替ミルクの官能特性や生産過程に関する懸念が消費を阻む障壁となっていた。これらの結果から、若年層において持続可能な代替乳製品の受容を促進するためには、こうした懸念に対処することが極めて重要と考えられる。

 

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