オーストリアの医療制度における一般医とヴィーガンの経験

Experiences of Vegans with General Practitioners in the Austrian Health Care System: A Qualitative Study

Elena Jirovsky-Platter, Maria Wakolbinger, Tilman Kühn, Kathryn Hoffmann, Anita Rieder, Sandra Haider

2024/01/29

https://doi.org/10.3390/nu16030392

論文概要

 

本稿では、オーストリアにおいて人々が一般医を選ぶ際に影響する要因と、ヴィーガンの健康管理における開業医の役割を探るものである。自分はヴィーガンであると考える人は増加傾向にあり、一般医がヴィーガンの患者と接する機会も増えつつある。この質的研究では、ヴィーガン14人を対象とした半構造化面接を2022年4月から2022年7月に実施した。

参加者は主にソーシャルメディアにおけるヴィーガンのグループから募集した。ヴィーガンの参加者は、医療サービスにおいて不平等な扱いを受けたり、時には不当な扱いを受けることもあったと感じており、一般医の大半がヴィーガンに対して偏見を持っているとも感じていた。ヴィーガンの人々の情報交換は、主にオンラインやヴィーガン協会の出版物を通して行われており、情報提供に関して一般医が担う役割はわずかであった。

ヴィーガンの人々が増えていることを考えれば、一般医とヴィーガンの患者のコミュニケーションを理解する方策を進めていく必要がある。自主的な研鑽によって栄養学の学際的知識を習得することや、医療現場と支援団体との連携、エビデンスに基づく情報提供、管理栄養士や栄養士との連携によって、ヴィーガンの患者のケアをより豊かなものにできる可能性がある。

 

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