ザトウクジラのゲノムに反映された商業捕鯨の効率化

論文概要

 

遺伝的多様性は世界規模で減少しつつあり、こうした傾向による影響は、急速な環境変化やその他の脅威に適応を迫られている鯨類では特に大きなものとなる可能性がある。実質的な個体群において推定されるゲノム上の変化は、捕鯨の歴史とその技術における変遷を反映していることがわかった。

南極海のザトウクジラについて、過去の個体群と現代の個体群をゲノムで比較したところ、現代のゲノムは多様性が乏しく、中程度に有害な突然変異による遺伝的な負荷が増大しており、これはおそらく捕鯨の影響に起因するものである。

捕鯨のためにザトウクジラの個体群は比較的最近の短い期間において著しく減少したが、このことは微小ではあるものの、明確かつ持続的な悪影響をクジラのゲノムに及ぼしていると考えられる。このため、ザトウクジラの一部の個体群では捕鯨が広く行われる以前のレベルまで個体数まで回復しつつあるとしても、こうした変化は将来の環境条件や脅威に対する適応能力が低下した状態で起こっている可能性が高い。

 

原文タイトル:Humpback whale genomes reflect the increased efficiency of commercial whaling

論文著者:Fabricio Furni, Martine Bérubé, Marcos Suárez-Menéndez, Eduardo R Secchi, Randall R Reeves, Jooke Robbins, Camilla F Speller, Per J Palsbøll

公開日: 2025/12/19 

論文URL:https://doi.org/10.1126/sciadv.ady7091

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