ヴィーガニズムとヴィーガンの地理学

Claiming veganism and vegan geographies

Catherine Oliver, Jonathon Turnbull, Michael Richardson

2023/09/28

https://doi.org/10.1111/geoj.12546

論文概要

 

10年前、ヴィーガニズムは少数の人々による急進的な運動だった。また、ヴィーガンに関する研究は、社会学や心理学などの学問分野では盛んであったが、地理学の関連領域ではほとんど行われていなかった。しかし、ヴィーガニズムは近年急速に広まりつつあり、アニマルウェルフェア、環境保護、健康といったさまざまな理由から、これまで以上に多くの人々がヴィーガンとなっている。

こうした広がりに伴ってヴィーガニズムは論争の的になり、擁護派の主張も激しいものになった。かつては周縁的な存在であったこの運動が社会的、政治的に大きな力を持つようになるにつれ、地理学研究においても注目されるようになった。

地理学の新たな下位分野としてヴィーガン地理学を定義する上ではいくつかの明確なトレンドを考慮する必要があり、この解説ではこれらを通してヴィーガニズムが近年の地理学においてどのように取り上げられるようになったかを見ていく。社会学・歴史学・哲学などを含む多元的な学術研究が重要であり、より広い意味で地理学の下位分野が確立されることに注目する必要がある。

 

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