中国におけるプラントベース食の推進 動機付けにおける健康・環境・動物福祉の効果を検証する

Promoting plant-based diet in China: Testing health, environmental and animal welfare motivational messages

Keyi Shi, Ziqian Xia, Helene Gu c, Claudia Nisa

2025/07/02

https://doi.org/10.1016/j.spc.2025.06.013

論文概要

 

プラントベースの食習慣を推進することは、現代の環境問題に取り組むうえで重要な目標となっている。欧米先進国ではプラントベース食を採り入れる動機について数多くの調査研究が行われてきたが、発展途上国に関する知見は不足しており、特に世界最大の人口を有する中国では食肉の需要が増大しつつある。

プラントベース食を選択する主な3つの動機(健康・環境・動物福祉)について検証するため、中国国内の25地域における横断調査(研究1・参加者1000人)を実施し、さらに国際ジョイントベンチャー大学のカフェテリアにおける準実験的フィールド研究で19週間にわたって食品の売上状況(研究2・参加者35,471人)を調査した。

研究1では、健康と動物福祉がプラントベース食を選択する動機として最も重要な予測因子であることが示唆された。一方、研究2で客観的に消費者が採った選択にはより微妙な影響が見られた。すなわち、プラントベース食品の消費は、動物福祉と環境におけるベネフィットを強調するメッセージによって促進されたものの、肉の消費量が実際に減少したのは、肉食が健康に及ぼす潜在的な悪影響を強調するメッセージが表示された場合に限られていた。

野菜の摂取を増やすことと肉料理の摂取を減らすことの間にはズレがあることを含め、これらの結果について考察するとともに、今後の研究の方向性について提案する。

 

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