中国における動物福祉 職業・教育・居住地が人々の意識に及ぼす影響

論文概要

 

中国では世界で最も多くの畜産動物が飼育されているが、動物福祉に関する人々の意識についてはよくわかっていない。本研究では中国各地における一般市民の意識を調査するため、研究チームによる個別インタビューを実施し、合計1301人から回答を得た。

動物福祉に対する関心は大卒者よりも高卒者のほうが強く、諸外国における結果とは異なっていた。現在の中国では大卒者の活躍の場が限られているため、この結果は労働市場のこうした現状を反映している可能性がある。動物福祉は科学者からはあまり支持されていなかったが、芸術関連の分野ではより支持されていた。

都市部では農村部に比べて動物福祉への関心は高く、村落部ではその中間であった。発展途上国では農村人口の多くが農業に従事していることから、居住地によるこうした違いは予想を裏付けるものであった。

結論として、中国において教育水準や職業、居住地はいずれも動物福祉に対する意識に強く影響しており、諸外国におけるのと同様の傾向が見られることもあった

 

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