乳製品と植物性ミルク 栄養と地球環境への影響

論文概要

 

レビューの目的: 動物由来の乳製品は市場で広く普及しているが、米国の消費者の間では植物性ミルクが注目を集めつつある。植物性ミルクを乳製品と比べた場合、栄養や公衆衛生、地球環境の観点から見てどのように異なるのか、未だ不明な点は多い。乳製品と植物性ミルクの違いに関して、本稿では小売売上高、栄養成分プロファイル、生産・消費に伴う健康や環境への影響の観点から比較し、今後の研究で検証すべき問題を明らかにする。植物性ミルクに関する比較では、アーモンドミルク・豆乳・オートミルク・ココナッツミルク・ライスミルク・エンドウ豆ミルク・カシューナッツミルク、およびその他の植物性ミルクを対象とし、データが入手可能な範囲で検討した。

最近の知見: 植物性ミルクの小売単価は概して牛乳よりも高く、低所得層にとっては入手しづらい状況にある。多くの植物性ミルクでは、牛乳の微量栄養素組成により近づけるため栄養強化が施されている。しかし、両者の間には主原料や個々の製品によって違いがあり、これはタンパク質・亜鉛・カリウムの含有量に関して特に顕著である。一部の植物性ミルクには、風味を向上させるために砂糖が添加されている。

温室効果ガス排出量・水使用量に関してみると、こうした環境負荷は植物性ミルクでは牛乳に比べて概して低いが、例外的なのはアーモンドミルクでは水使用量が大きいことである。最近の研究および消費者の購買動向に関する検討から、植物性ミルクの小売売上高は増加していること、また植物性ミルク製品の間でもシフトが起こっていることが確認された。

今後の研究では、新しい植物性ミルク(カシューナッツミルク・ヘンプミルク・エンドウ豆ミルクなど)が環境に及ぼす影響、植物性ミルクに対する消費者の意識や行動、長期にわたって頻繁に摂取した場合の安全性や健康への影響について、さらに詳しく検証する必要がある。

 

原文タイトル:Dairy and Plant-Based Milks: Implications for Nutrition and Planetary Health

論文著者:Rebecca Ramsing, Raychel Santo, Brent F Kim, Daphene Altema-Johnson, Alyssa Wooden, Kenjin B Chang, Richard D Semba, David C Love

公開日: 2023/06/10 

論文URL:https://doi.org/10.1007/s40572-023-00400-z

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