個人の食習慣は、惑星の限界と健康上の目標に一致する

Diets can be consistent with planetary limits and health targets at the individual level

Caroline H. Gebara, Etienne Berthet, Madeleine I. D. Vandenabeele, Olivier Jolliet & Alexis Laurent

2025/03/21

https://doi.org/10.1038/s43016-025-01133-y

論文概要

 

飢餓の撲滅と持続可能な食生活の推進は滞っており、その結果、食料システムのために生態系は損なわれ、7億人以上が栄養不足に陥っている。本研究では、どのような食品の組み合わせであれば環境および栄養に関する制約を満たすことができるかを線形計画モデルによって特定する。米国で得られたデータを用いて、2,500種類以上の食品に関してその環境と栄養に関する特性を考慮し、健康栄養指数に基づいて最適な食事パターンを明らかにした。

パリ協定の1.5℃目標に合わせるとした場合、さまざまな食生活を採ることによって気候変動に対する影響を7分の1に抑えつつ、1週間あたり最大700分の健康寿命が得られることがわかった。ヴィーガン・ベジタリアン・フレキシタリアンの食事によって肉の消費(豚肉と鶏肉)を週255g に制限すれば、環境と栄養に関する制約を最も良く満たすことができる。

主なタンパク源となるのは、穀物、豆類、ナッツ類である。これらを用いた食生活は、消費者にとっては多様で具体性のある選択肢であるとともに、政策上の提言としては現実的な目標となる。

 

別のFACTを探す