健康的で持続可能な食生活を導入しても、メキシコの食費支出は高くならない

Adoption of healthy and sustainable diets in Mexico does not imply higher expenditure on food

Carolina Batis, Joaquín A. Marrón-Ponce, Dalia Stern, Stefanie Vandevijvere, Simón Barquera & Juan A. Rivera

2021/09/30

https://doi.org/10.1038/s43016-021-00359-w

論文概要

 

さまざまな国で健康的で持続可能な食習慣を導入する際に重要となるのは、その相対的なコストである。新たに開発したモデリングツールを用いてさまざまなフードバスケットを作成し、EAT-Lancetによる健康基準食*、メキシコの食事ガイドライン、メキシコにおける現在の食品摂取量に従った食事にかかるコストを比較した。

平均して、EAT-Lancet 基準食のコストは、メキシコの食事ガイドラインよりも21%低く、現状の摂取量のバスケットよりも40%低かった(同じカロリーで比較した場合は29%低い)。こうした傾向は、2011年から2018年までの期間で変わりはなく、地域別で見た場合にも変わりはなかった。

健康的で持続可能な食生活では、果物・野菜・豆類・ナッツ類の消費量が増えるためにコストが上昇するが、動物性タンパク質・砂糖入り飲料・(嗜好品や贅沢品などの)自由裁量食品の消費量が減ることによるコスト低下の方が大きかった。より良い食生活への移行は、メキシコにおいては食品への支出を増やすことなく可能であると結論できる。

* プラネタリーヘルスダイエットとも呼ばれ、果物や野菜など加工度の低い植物性食品の摂取を重視し、魚や肉、乳製品の摂取は控えめにする食事法。

 

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