培養肉の自然さに関する認識に挑む 消費者マインドセットの役割

Challenging cultured meat naturalness perceptions: The role of consumers' mindset

Luis Arango, Felix Septianto, Nicolas Pontes

2023/11/01

https://doi.org/10.1016/j.appet.2023.107039

論文概要

 

培養肉は、動物細胞を体外で培養して生産されるが、従来の食肉生産に起因する環境や健康、倫理に関する諸問題への解決策として期待されている。しかし、消費者の受容は依然として大きな課題であり、培養肉は不自然であるという認識によって大きく影響されている。先行研究によれば、こうした認識を克服することを目指す場合、メッセージ戦略によって得られる効果は限定的である。マインドセットとは人間の性質にある固定性と柔軟性に関する理論であるが、本研究ではこれに基づいて培養肉についてのメッセージ戦略を2つの実験研究で検証し、新たな知見が得られた。

研究1では、自然さを重視する態度に挑戦する戦略が、人間の性質は柔軟で成長するものであるというマインドセットを持つ消費者における培養肉の受容を高めるのに有効であることを示す。研究2では、(製品開発に関わる)創造の過程を説明するある種のナラティブ(物語)によってこのようなメッセージ戦略を補完すれば、固定したマインドセットを持った消費者にも有効であることを明らかにする。本研究の結果は、理論面でマインドセットとナラティブの理論を培養肉に関する議論に拡張するとともに、実践面では消費者の受容を促進するためには異なったコミュニケーション戦略が有効であることを示している。

 

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