子どもは大人よりも動物を大切にする 概念の再現と拡張

Children Value Animals More Than Adults Do: A Conceptual Replication and Extension

Mariola Paruzel-Czachura, Maximilian Maier, Roksana Warmuz, Matti Wilks, Lucius Caviola

2024/01/09

https://doi.org/10.1177/01461672231219391

論文概要

 

動物より人間を重視する態度は、米国の子どもでは成人に比べて弱い傾向にあることが最近の心理学研究で示されている。事前登録された本研究では、この知見を概念的に再現し、さらに拡張することを目的とし(参加者412名)、動物より人間を優先する傾向について、6歳から9歳のポーランドの子ども(研究 1a)と成人(研究 1b・1c)を比較して検証した。

参加者に提示した道徳的ジレンマ課題では、他者に危害を加える状況(例:トロッコ問題)、または恩恵を与える状況(例:おやつを与える)において、人間と動物(犬またはチンパンジー)のどちらを優先させるかという判断を求めた。

その結果、動物よりも人間を優先する傾向は、ポーランドの子どもにおいても成人に比べて弱いことがわかった。これは危害を防ぐジレンマでも、おやつを与えるジレンマでも同様であった。しかし、子どもと成人はいずれも、チンパンジーやイヌに比べて人間を優先しており、この点では違いはなかった。

 

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