牛の取り扱いと屠殺の評価における人工知能とヒトの観察力の比較

A Comparison of Artificial Intelligence and Human Observation in the Assessment of Cattle Handling and Slaughter

Lily Edwards-Callaway, Huey Yi Loh, Carina Kautsky, Paxton Sullivan

2025/05/03

https://doi.org/10.3390/ani15091325

論文概要

 

屠畜場(食肉処理施設)では、動物の取り扱いを評価するためにライブ検査、リモートビデオ検査、人工知能(AI)を用いた技術など様々なツールが使用されている。本研究では、屠畜場での牛の取り扱いに関する主要なアウトカムについて、AIと人間が評価した場合の類似性を明らかにすることを目的とした。

英国の屠畜場における牛の取り扱いと気絶処理に関する動画クリップ112件を収集した。AIが判定したアウトカムは、気絶処理、電気ムチの使用、転倒、牛舎の過密状態、取り扱いにおける疑わしい事象の有無である。人間の評価者3名もこれらのアウトカムを動画から評定し、ここで作成された4つの異なるデータセットについてジャッカード類似度指数 Jaccard similarity indices (JI) を算出した。

気絶処理、電気ムチの使用、転倒に関しては、人間の評価者とAIの間の類似性は高かった(JI > 0.90)。牛舎の過密状態に関しては、両者の一致度は高かった(JI > 0.80)。取り扱いにおける疑わしい事象の特定に関しては、人間とAIの間で違いが見られたが(JI ≥ 0.50)、追加的な検証を要する事象を特定するうえではAIが優れていた。

AIの実装によって屠畜場における牛の取り扱いを支援することは、動物福祉プログラムを推進するうえで有用な追加ツールとなる可能性がある。

 

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