肉食とヴィーガン嫌悪、その社会環境の特徴を探る

Meat Consumption and Vegaphobia: An Exploration of the Characteristics of Meat Eaters, Vegaphobes, and Their Social Environment

Frédéric Vandermoere, Robbe Geerts, Charlotte De Backer, Sara Erreygers, Els Van Doorslaer

2019/07/19

https://doi.org/10.3390/su11143936

論文概要

 

ヴィーガン嫌悪とは、菜食主義や肉を食べない人を否定的にスティグマとして捉える態度を意味する。本稿では、個人の食肉消費とヴィーガン嫌悪を理解するため、個人の社会ネットワークに存在する他者の食事パターンに焦点をあてる。

本研究では、肉を食べることに問題を感じていない人(確信的な肉食者)と肉の消費を積極的に減らしたり制限したりしている人(非肉食者)を比較するため、様々な社会人口統計学的特徴について調査データ(参加者996名)を用いて検証した。

その結果、確信的な肉食者は男性に多いことがわかった。肉の消費量に関しては教育水準による影響はごくわずかであり、年齢による違いは有意ではなかった。次に、社会的背景による肉の消費量への影響に注目すると、家庭の中にベジタリアンがいる場合、肉の消費量は大幅に少なくなることがロジスティック回帰分析によって明らかになった。こうした傾向は、それほど顕著ではないものの、交際範囲の中にベジタリアンの友人や親族がいる場合にも見られた。

最小二乗回帰分析を用いてヴィーガン嫌悪の線形相関を調べたところ、同様の結果が得られた。ヴィーガン嫌悪は男性に多く、その教育水準はより低かった。また、高齢者および確信的な肉食者でも多く見られた。さらに、家庭や友人にベジタリアンがいる人では、ヴィーガン嫌悪は少なかった。

肉の消費や菜食主義に対する態度に社会環境が影響していることは重要であり、最後にこの点について考察するとともに、政策的な意味合いと今後の研究の方向性について議論する。

 

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