豚とブロイラーにおける健康・福祉の向上を通じて抗菌剤の使用を低減する

Analysis of Antimicrobials in Muscle and Drinking Water in Terms of Reducing the Need of Antimicrobial Use by Increasing the Health and Welfare of Pig and Broiler

Anna Gajda, Tomasz Błądek, Małgorzata Gbylik-Sikorska, Ewelina Nowacka-Kozak, Kyriacos Angastiniotis, Maro Simitopoulou, George Kefalas, Paolo Ferrari, Pierre Levallois, Christine Fourichon, Maaike Wolthuis-Fillerup, Kees De Roest

2023/02/04

https://doi.org/10.3390/antibiotics12020326

論文概要

 

畜産動物の体内に残留する抗菌剤は、消費者の健康に有害な影響を及ぼす可能性がある。同時に、動物に与える飲料水の質を適切に保つことは、アニマルウェルフェアを担保し、食品に抗菌剤が混入しないことを確実にするうえで重要な要素となる。

本研究の目的は、食肉および農場内の飲料水に含まれる抗菌性化合物(ペニシリン・セファロスポリン・マクロライド・テトラサイクリン・キノロン・スルホンアミド・アミノグリコシド・ジアミノピリミジン・ プレウロムチリン・リンコサミド系など)の残留レベルを推定することである。「健康畜産 Healthy Livestock」プロジェクトにおける養豚場・ブロイラー農場に対するサーベイランスシステムの一環として、サンプルに含まれる各薬剤の残留レベルを液体クロマトグラフィー・タンデム質量分析法によって分析した。

豚とブロイラーの筋肉から合計870点、および飲料水として229点のサンプルについて、抗生物質の残留レベルを分析した。サンプルはEU諸国の農場で採取し、各農場に最適化した健康増進プランの導入による介入前後の2段階でこれを実施した。

筋肉サンプルでは、介入後のドキシサイクリンの検出濃度(15.9~70.8 µg/kg)は、介入前(20.6~100 µg/kg)に比べて低下していた。水サンプルについては、ドキシサイクリンの平均濃度は、介入前で119 µg/L、介入後で23.1 µg/Lとなっており、エンロフロキサシンの濃度は介入前で170 µg/L、介入後で1.72 µg/Lであった。アモキシシリンが検出されたのは介入前のみだった。ここで得られた結果は、介入措置の有効性を裏付けるものであり、筋肉と水に含まれる抗生物質の濃度は、各農場で健康増進プランを導入した後には低下していた。

 

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