農業によらない食料生産

Food without agriculture

Steven J. Davis, Kathleen Alexander, Juan Moreno-Cruz, Chaopeng Hong, Matthew Shaner, Ken Caldeira & Ian McKay

2023/11/06

https://doi.org/10.1038/s41893-023-01241-2

論文概要

 

食料システムをより持続可能なものにするための取り組みでは、農業が環境に与える悪影響を軽減することに重点が置かれてきた。これとは対照的に、農業に頼ることなく食料を生産できる化学的・生物学的プロセスは、これまでにあまり注目されることはなく、リソースが割かれることもなかった。

将来、さまざまな種類の魅力的な食品が化学合成によって生産できるようになる可能性はあるが、ここでは、食物脂肪の合成が0.8 gCO2-eq/kcal 未満の二酸化炭素排出量で可能であり、これはブラジルやインドネシアでパーム油を生産するために現在排出されている1.5 gCO2-eq/kcal よりもはるかに少ないものであることを示す。

このような合成法を拡大することで農業経済を混乱させる可能性があり、消費者に受け入れられるかどうかにもよるが、温室効果ガスの排出量や、土地と水の使用量を大幅に削減する潜在力があることを考えれば、今後10年間における農業の環境フットプリントを緩和するための現実的に可能な手段となり得る。

 

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