2つの反抑圧グループの性格特性の比較: ヴィーガンと無政府主義者

Comparison of personality traits of two anti-oppression groups: Vegans and anarchists

Sophie Desjardins, Annabelle Giroux, Dominick Gamache

2024/02/10

https://doi.org/10.1111/asap.12385

論文概要

 

ヴィーガンとアナーキズム(無政府主義)は世界的に急成長しているが、反抑圧を掲げるこれら2つの党派に属する人々の心理的特徴を調べた研究はほとんどない。本研究では、ヴィーガンとアナーキスト、そしてこの2つのグループに属する活動家と非活動家が、それぞれ異なる性格プロファイルを示すかどうかを調べた。この目的のため、ヴィーガンまたはアナーキストを自認する成人180人が、オンラインの社会人口統計に関するアンケート、HEXACO性格テスト、ダーク・トライアッド・ダーティ・ダズン*に回答した。

判別関数分析では、アナーキストはヴィーガンに比べて、女性・男性以外の性別(ジェンダー)に属すると自認するか、まったくジェンダーがないと自認する傾向が強い。さらに、男性の割合はヴィーガンよりもアナーキストの方が多かった。性格特性では、ヴィーガンはアナーキストに比べて「誠実さ」・「感情の深さ」・「正直さ‐謙虚さ」の次元において高得点であった。アナーキストはヴィーガンに比べて「経験に対する開放性」と「サイコパス」のスコアが高かった。活動家と非活動家は、ジェンダーや性格特性による違いは見られなかった。

権力と抑圧の力学には、人間に対する場合と動物に対する場合とで共通の要因があるが、今回の結果は、ヴィーガンとアナーキストのそれぞれが惹きつける反抑圧支持者には、互いに異なった性格プロファイルがあることを示唆している。

* 3つの反社会的なパーソナリティ特性(自己愛・サイコパス・マキャベリアニズムの傾向)を測定する12項目の心理テスト

 

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