なぜアニマルライツをかかげながら、動物福祉運動も行うのですか?

FAOやOECDなどのデータは、今後人口の増加と共に肉食の量も増えていくことを示しています。動物の畜産利用、動物からの搾取をすぐに無くすことは無理だろうと私たちは分析しています。

この先も当分の間は、何憶何兆もの動物が、畜産利用され殺され続けます。そう考えた時に、彼らの苦しみを少しでも軽減するために動物福祉(アニマルウェルフェア)の運動も必要だと考えています。私たちが行う動物福祉運動には、ケージや妊娠ストールなどの監禁飼育の廃止を働きかけたり、淘汰方法や屠殺場での動物の扱いの改善を求める活動があります。

私たちの目指すのは、畜産や娯楽における動物利用の廃止、動物搾取の撤廃、つまり動物の解放です。
しかし、アニマルライツ運動とは、自分のやりたいことをやるのではなく、動物にとって最善の行動をとることです。わたしたちは、動物にとって何が最善かを考えた結果、動物福祉とアニマルライツ運動を並行しています。

根本的には異なる考え方ですが、動物の苦しみを減らすという考えは共通しています。理念を議論することは私達の目的には有りません。私達の目的、使命は動物たちの苦しみをより多く、より早くなくすことです。個人がアニマルライツを支持しながらアニマルウェルフェアの運動を行うことは個人の心のなかに矛盾が生じることは間違いが有りませんが、しかしその人間個人の葛藤が、動物の苦しみを減らす運動を妨げてはなりません。動物にとっては、あなたの心の中の良心や葛藤は全く重要ではなく、動物たち自信に起きること=結果が全てです。

また、アニマルウェルフェアに配慮することにより動物本来の価値に気が付き、動物を利用できなくなる人は非常に多く存在します。並行して行うことによる相乗効果は間違いなくうまれています。

動物の苦しみを無くそうという運動は世界中で多くの団体がおこなっています。私たちと同じように動物福祉とアニマルライツを並行した運動方法をとっているところもありますし、動物福祉だけの運動、あるいは動物解放だけの運動のところもあります。日本には、そのどれもが不足していて、特に畜産動物の社会システムを変えようとする団体は私達以外に今ないことを考えると、私達は自分たちの心情にとらわれず、効果のある方法を追求していく必要があると考えています。

今はまだ、どのやりかたが正しく、どのやり方が間違っている、ということを議論する段階ではありません。動物の犠牲の数はあまりにも多く、動物のために声を上げる人はあまりにも少ないからです。