しばしば「動物愛護思想の普及をはかること」が動物園の目的になっています。 監禁状態にある動物たちを前にして、動物愛護の思想を普及させるというのは、いったいどういうことでしょうか? また、「生命の共存や自然との調和を学ぶ」ことも謳われますが、それを動物園でどのように学ぼうというのか、私たちには分かりません。むしろ、動物園と言う特殊な環境は、人間は自然を支配することが当然で、動物を思うままに支配してよい、動物は人に奉仕するために存在する道具なのだという間違った認識を広めてはいないでしょうか。 動物をコンクリートの床と鉄格子の狭い空間に一生監禁することに疑問を抱かない施設で、動物に対する尊重や配慮の気持ちが育まれることはありません。動物園で動物の生態について知ることができるという意見もあると思いますが、動物の生態はその動物がしかるべき場所にいてはじめてわかることであり、動物園の狭い檻の中では正確に知ることはできません。 間違った知識が与えられる危険性があります。 人間も自然や地球、動物の一部であるということを、動物園から学ぶことはできません。Share This Previous Article動物園・水族館はなぜいけないのですか? Next Article娯楽は必要ではないでしょうか? 2019/04/02