プラントベース食の質と加齢性眼疾患のリスク 英国と中国のコホートにおけるマルチオミクス研究

論文概要

 

プラントベース食は加齢性眼疾患の病態に影響している可能性があるが、食生活の質そのものが眼の健康に関わっているどうかは不明である。本研究では英国バイオバンク UK Biobank に登録された前向きデータに加え、天津市の病院で独立に収集した横断的データを使用し、健康的なプラントベース食指数(PDI-H)および不健康なプラントベース食指数(PDI-U)が加齢黄斑変性・白内障・緑内障・糖尿病性網膜症・網膜静脈閉塞症とどのように関連しているかを検討した。得られたデータについてコックス回帰分析・ロジスティック回帰分析・傾向スコアマッチング・制限付き立方スプライン・サブグループ解析・マルチオミクス解析・機械学習を用いて分析した。

PDI-H のスコアが高くなるほど、加齢黄斑変性・白内障・緑内障・糖尿病性網膜症のリスクが低下していたのに対し、PDI-U のスコアが高いほど、加齢黄斑変性・白内障・糖尿病性網膜症のリスクが高くなっていた。網膜静脈閉塞症との関連性は弱い、もしくは認められなかった。天津の横断データから得られた結果は、英国バイオバンクにおける前向きデータの結果と同じ傾向を示しており、上記の結果をさらに支持するものであった。プロテオミクスおよびメタボロミクス解析では、炎症のレベル、脂質代謝、血糖調節、ホルモンのシグナル伝達がプラントベース食の質と関連していた。

食生活に関する指標を予測モデルに組み込んだ場合、加齢黄斑変性および白内障のリスクを高い精度で識別することが可能であり、PDI-H および PDI-U を従来の危険因子に追加した場合、曲線下面積(AUC)で見た識別能にわずかではあるが一貫した向上が見られた。上記の結果は、プラントベース食そのものではなく、その質が重要であり、加齢関連の主な眼疾患において修正可能な要因の一つであることを示唆している。

 

原文タイトル:Plant-based diet quality and risk of age-related eye diseases: evidence from multi-cohorts with multi-omics insights

論文著者:Xuehao Cui, Jingwen Hui, Qiuchen Zhao, Quanhong Han

公開日: 2026/06/04 

論文URL:https://doi.org/10.1038/s41538-026-00919-z

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