動物性食品の節制は自制能力の強化と関連する:プラントベース食への移行に関する縦断研究

論文概要

 

ベジタリアンやヴィーガンなど、健康に良い食行動を習慣とすることは、個人と社会の双方にとって有益である。習慣的行動を決定する心理的要因としては「行動を促す習慣」と「自制のための方策」の2つが重要であるが、本研究では、新たに菜食の生活を始めた人々を対象として、これらの要因がどのように作用しているかを検証した。

6ヶ月間にわたる縦断研究では、菜食を始めている参加者222名を対象として、ベースラインを含め7回の調査を実施し、習慣の強さ・肉類などの動物性食品を食べたいと感じる頻度・自制のために採っている方策・動物性食品の摂取量の各項目について回答を求めた。。

得られた結果は、健康的な食習慣を維持することのメリットを裏付けるものであった。すなわち、習慣が強く定着するほど、肉を食べたいと強く感じる頻度は減り、食事スタイルは動物性食品の摂取を減らすという目標に沿うようになっていた。一方、強い習慣を維持している場合でも自制の方策を用いる頻度が減ることはなく、これは一部の理論とは異なるものであった。強い習慣のある人々は、自分の食事スタイルを維持するために様々な方策を利用しており、こうした傾向は食事スタイルに合わないものが食べたくなる場合に多く見られた。。

従来の知見によれば、習慣が確立されれば自制の必要がなくなるとされてきたが、上記の結果はこれとは異なる可能性を示しており、菜食への移行のように複雑な健康行動に取り組むうえでは、習慣のみでは強い食欲を十分に抑制できないことを示唆している。近年提唱されているモデルによれば、複雑な健康行動を実現する際には、習慣のような自動的プロセスと自制という意図的プロセスが同時に働いているとされ、本研究の結果はこれに一致するものである。

 

原文タイトル:Food cravings are associated with increased self-regulation, even in the face of strong instigation habits: A longitudinal study of the transition to plant-based eating

論文著者:Blair Saunders, Marina Milyavskaya, Kimberly R. More, Jo Anderson

公開日: 2024/12/16 

論文URL:https://doi.org/10.1111/aphw.12629

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