地中海食と睡眠の健康が肺がんのリスクに及ぼす影響 英国バイオバンクの参加者192,034名に関する前向き調査

論文概要

 

目的: 食習慣と睡眠はそれぞれにがんのリスクと関連しているが、これら2つの要因が組み合わさった場合に肺がんのリスクと関連しているどうかは不明である。本研究では UK バイオバンクのデータを使用し、地中海食と睡眠が肺がんリスクにどのように関連しているかを検証した。また、地中海式の食生活には午睡(シエスタ)の習慣が結びついていることが多いことから、地中海食の遵守度と肺がんリスクにおけるこうした関連に対し、その影響についても検証した。

方法: UKバイオバンクから参加者を抽出した。地中海食の遵守度については「地中海食遵守スクリーナー」の改変版を用いて評価し、睡眠に関しては(睡眠時間・不眠・いびきなど)5項目の行動指標から得られた複合スコアを用いて評価した。地中海食と睡眠に関するこのスコアをそれぞれ3分位に分類し、これらを組み合わせて食習慣と睡眠のスコアを9段階のパターンに分類した。全死因死亡率には複数のリスクが競合して寄与しているため、これを考慮した Fine-Gray モデルを用いて部分分布ハザード比(SHR)および95%信頼区間(CI)を算出し、上記のスコアとの関連を検証した。

結果: 対象となった参加者は合計192,034名で(年齢中央値57歳・女性54%)、追跡期間は14年間(中央値)であった。この期間中に肺がんを発症したのは1,156例であった。食習慣と睡眠のスコアを組み合わせた9段階のグループのうち、スコアが最も高い参加者では、最も低い参加者と比べて肺がんのリスクが43%低下していた(SHR 0.57, 95% CI 0.41-0.79; P = 0.001)。地中海食の遵守度と肺がんリスクの関連に対し、午睡が影響していることを示すエビデンスは得られなかった。

結論: 地中海食と睡眠の組み合わせは肺がんリスクの低下と関連していた。しかし、この結果は因果関係を示すものではなく、観察研究で得られた相関関係として解釈する必要がある。

 

原文タイトル:Mediterranean diet adherence, healthy sleep, and lung cancer risk: a prospective study of 192,034 UK Biobank participants

論文著者:Yiming Chen, Enyu Tong, Xiaoman Jin, Yufeng Rao, Evan Y W Yu, Abdulmohsen H Al-Zalabani, Maurice Zeegers, Anke Wesselius

公開日: 2026/08/27 

論文URL:https://doi.org/10.1007/s00394-026-04080-x

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