教育的介入は気候変動に向けた連携を強化できる

論文概要

 

大胆な気候政策に対して国民の支持を得ることは、政府が経済の脱炭素化を進めるうえで極めて重要な課題である。気候変動を緩和するための政策はほとんどの場合、市民に目に見える実質的なコストを課すものであり、補償措置を行うとしても政府の財政的余力には限度がある。教育は気候変動に対する国民の意識を高める手段として用いられるが、気候政策への支持を高める上で効果があるかどうかは十分に検討されていない。

3時間の対話型ワークショップは現実社会における大規模な教育介入であり、これまでにフランスの500校以上の大学で実施されてきた。本稿ではこの事例を取り上げ、気候変動の問題を教育政策に取り入れた場合の効果について検証する。

167回のワークショップに参加した学生1,845人を対象として無作為化対照試験を実施した。牛肉税・短距離フライトの禁止・大学食堂における肉類の提供禁止など、コストを伴う気候政策を支持する割合は、ワークショップに参加した学生では、対照群の学生に比して 7パーセント高くなっていた。こうしたワークショップは、気候政策の有効性に対する確信を高め、より肯定的な感情を引き出していた。

参加者の一部を対象とした追跡調査では、上記の効果が少なくとも6週間は持続していることが示唆された。気候変動問題に取り組むNGOへの寄付に関しては、ワークショップによってその意欲が高まることはなかった。

以上の結果から、気候変動に関して適切に計画された教育的介入は市民の連携を拡げる上で効果があり、政策の有効性に対する認識を向上させ、コストを伴う政策への支持を高めることができると考えられる。

 

原文タイトル:Educational policies can strengthen climate coalitions

論文著者:Max Bradley, Rens Chazottes, Susanna Garside, Nina Lopez-Uroz

公開日: 2026/05/19 

論文URL:https://doi.org/10.1073/pnas.2533821123

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