飼育密度の高いブロイラー鶏では、抗生剤の使用量が増え、足の炎症が悪化する

論文概要

 

飼育密度の高いブロイラー生産では空気や敷料の質が低下するとされ、これらは動物福祉に悪影響を及ぼす可能性がある。本研究では従来の方法で飼養されたブロイラー鶏について、健康と福祉に関する3つの主要指標(抗生物質の使用量・死亡率・足裏病変の重症度)が鶏舎における飼育密度とどのように関連しているかを検証した。

2017年から2021年にオランダで飼育された29,542鶏群のブロイラーに関するデータに一般化線形混合モデルを用いて分析した。入舎から1週間後の時点では飼育密度と抗生剤の使用量との関連は見られなかったが、1週間以降では飼育密度が高くなるほど抗生剤が使用される確率は上昇し、両者には正の関連が認められた(オッズ比 1.08;95% 信頼区間 [1.05, 1.11];p < 0.001)。死亡率との関連性は殺処分に至るまで認められなかった。

また、飼育密度が高くなるほど、足裏の病変の重症度が高くなる傾向が見られた(スコア比 1.09;95% CI [1.08, 1.10];p < 0.001)。こうした傾向は、過去の調査で足の病変の重症度スコアが低かった農場を除外した場合でも同様に認められた。

以上の結果から、飼育密度が高くなるほど感染症の発生や拡大が起こりやすくなり、抗生剤の使用量が増加する原因になるだけでなく、足裏の健康状態にも悪影響を及ぼすことが示唆された。このため、従来の生産システムでは飼育密度を低く保つことでブロイラーの健康と福祉が改善する可能性がある。

 

原文タイトル:Higher placement stocking density is associated with increased antibiotic use and footpad lesions in conventional broiler production

論文著者:Y Slegers, M G R Matthijs, J J de Wit, M Hostens, J A Stegeman

公開日: 2026/10/24 

論文URL:https://doi.org/10.1016/j.psj.2026.108042

別のFACTを探す