論文概要
大学生は、変化を促進するうえで重要な役割を果たし得る。本研究は、ブラジルの大学生が植物性食品中心の食生活を取り入れる動機、またはその妨げとなる要因を明らかにすることを目的として行われた。
植物性食品中心の食生活は、人の健康と環境の双方に利益をもたらすことから、食とフードシステムをめぐる議論の中心となってきた。本研究では、動物性食品を減らす、あるいは排除する食生活、すなわちフレキシタリアン、ベジタリアン、ヴィーガンの食生活を「植物性食品中心の食生活」と捉えている。研究はブラジルの大学生を対象とし、こうした食生活を取り入れる、または取り入れないという決定に影響する要因を探った。具体的には、植物性食品中心の食生活と、学生の動機、課題、社会人口統計学的特性との関係を検討した。
調査は2023年3月から4月にかけて、南部国境連邦大学の3キャンパスに在籍する大学生815人を対象に実施された。学生は授業中に質問票に回答し、社会人口統計学的データに加えて、肉の摂取、自然とのつながり、政治的イデオロギーに関する情報を提供した。質問票ではリッカート尺度を用い、次の項目も測定した。
- 環境配慮行動(例:不要な照明を消す、公共交通機関を利用する、環境に関する抗議活動や公開イベントに参加する、肉やその他の動物性食品を避ける)
- 肉を制限する食生活を取り入れる動機(例:動物の権利、食肉産業へのボイコット、健康、宗教、減量、家族や友人の影響、肉の味が好きではないこと)
- 肉を制限する食生活を取り入れる際の実際の、または認識上の課題(例:ベジタリアン/ヴィーガンになることや継続すること、外食、植物性食品を見つけること、肉を使わない食事の調理、偏見への対処、自制心を保つことの難しさ)
最後に、学生は研究者が提示した次の定義に基づいて、自身の食事パターンを回答した。
- フレキシタリアン:肉を食べるのは週1回以下
- ペスコ・ベジタリアン:魚介類は食べるが、肉は食べない
- ラクト・オボ・ベジタリアン:乳製品と卵は食べるが、肉、魚、魚介類は食べない
- ヴィーガン/厳格なベジタリアン:完全に植物性食品のみの食生活を送る
- 雑食者:肉および肉製品、魚、魚介類、植物性食品を食べる
- オーガニック雑食者:有機の肉、牛乳、植物性食品を食べる
分析では、研究者は雑食者以外の4カテゴリーをまとめて、植物性食品中心の食生活とした。
調査結果から、学生の約10%が植物性食品中心の食生活を実践していることが明らかになりました。4%強がフレキシタリアン、約5%がベジタリアン/ヴィーガンと自認していた。全サンプルのほぼ17%が以前にベジタリアン/ヴィーガンであり、その大半(56%)は継続期間が6か月未満だった。この食事パターンを3年以上続けていると回答した学生はわずか3%だった。
多くの学生は、ベジタリアン/ヴィーガン食に対する医療・健康専門職の見解を中立的(66%)と捉えていたが、積極的に勧められた(16%)という回答とほぼ同程度に、控えるよう勧められた(19%)という回答もあった。多くの学生(66.5%)はベジタリアン/ヴィーガン食にリスクはないと認識していた一方、リスクを感じる学生は、栄養不足、栄養面のモニタリング不足、サプリメントの必要性、植物性食品の費用を懸念していた。過去にベジタリアン/ヴィーガンだった学生のうち、圧倒的多数(94.5%)は、その食生活について医療・健康専門職に相談していなかった。
雑食の学生にとって、食生活を守ること(77%)、継続すること(81%)、自制心を働かせること(72%)が、肉を制限する食生活における最大の課題と見なされていた。これに対し、すでに植物性食品中心の食生活を実践している学生は、これらをはるかに難しくないと感じていた(それぞれ22%、28%、18%)。代わりに、外食(42%)や、スーパーマーケットやレストランで適切な食品を見つけること(37%)を課題として挙げた。雑食者も食品を見つけることを課題と捉えていた(40%)が、肉を使わない食事の調理については、植物性食品中心の学生よりも難しいと評価した(43%対14%)。
興味深いことに、肉を制限する食生活を送ることで偏見に直面することについては、両グループの見方は似ていた。雑食者の約4分の1(25%)と、植物性食品中心の食生活を送る学生の約4分の1(24%)が、それを「難しい」または「非常に難しい」と回答した。
環境配慮行動と動物の権利は、肉を制限する食生活を取り入れる主な原動力となっていた。食肉産業へのボイコットや、肉の味を好まないことも影響していた。植物性食品中心の食生活を6か月以上続けた学生は、雑食者や継続期間が6か月未満の学生よりも、環境配慮行動の平均得点が高くなっていた。
検討されたすべての社会人口統計学的変数のうち、植物性食品中心の食事パターンと有意な関連が認められたのは、政治的イデオロギーだけだった。植物性食品中心の学生の約69%が、左派寄り(極左、左派、中道左派)と自認していたのに対し、雑食者では48%だった。右派側では逆の傾向が見られ、植物性食品中心の学生で右派寄り(中道右派、右派、極右)と自認したのは11.5%にとどまったのに対し、雑食者では23%だった。
環境への懸念が、学生が植物性食品中心の食生活を取り入れる主な動機の一つと特定されたことから、著者らは、食事スタイルと気候変動のつながりについて認識を高める重要性を強調している。教育現場で幼い頃からこの情報を取り上げ、食品表示やメディアなど複数の経路を通じて一般の人々に伝えることを推奨している。また、潜在的な栄養リスクへの懸念を払拭するために、バランスの取れた植物性食品中心の食生活とは何かについて、より広く理解を促す必要性も指摘されている。最後に、植物性食品へのアクセスのしやすさと、肉を使わない食事を調理する技能は、人々が植物性食品中心の食生活へ移行し、それを継続できるようにするために対処すべき重要な課題である。
※本記事はこの記事の最下部にある論文のFaunalyticsのリサーチャーによる要約を、同団体の許可を得て翻訳したものです。
原文タイトル:Associated factors in adherence to plant-based diets in university students
論文著者:Triches, R. M., Eickhoff, V. P., & Candido, H. G. L. G.
公開日: 2025/06/26

