植物には脳が存在せず、痛みを伝える神経組織の存在も確認されていません。したがって、植物には痛みを感じる能力はないと考えられます。少なくとも、哺乳類や鳥類が感じるのと同じような仕組みでは、「痛み」は感じていないでしょう。苦痛を感じる能力を重視する動物の権利論においては、植物は権利を与えるべきものとしては扱われません。動物と植物はその発達の経緯や種を守る方法が全く異なります。動物種の一連の流れとして捉えることは誤りです。では、植物はいくらでも犠牲にしてよいのでしょうか。そのようにも思えません。苦痛を感じているかいないかに関わらず、生命を大切にしたいという自然な気持ちを人間は持っています。動物の権利論は、そのような人間の感情も大切にできるものです。植物の犠牲をなるべく少なくするためには、どうすればよいのでしょうか。そのためには、ベジタリアンになることが有効です。例えば牛肉1kgを生産するためには、牛に食べさせる穀物が10kg程度必要だとされます。穀物の犠牲や、穀物を生産する際に駆除される昆虫の犠牲を減らすためには、穀物を牛に食べさせて、その牛を人間が食べるのではなく、人間が穀物を直接食べるほうがよいことになります。植物の犠牲を本当に減らしたいのであれば、なるべく肉を食べない食生活にするほうがよいでしょう。それはそのまま、動物の犠牲を少なくすることでもあります。Share This Previous Article権利を認める生物のラインはどこですか? Next Article動物の犠牲を完全になくすことは無理なので、動物の権利論は間違っているのではないでしょうか 2019/04/02