論文概要
背景: 食生活において動物性食品への依存を減らすことが推奨されている。
目的: 肉類を減らした食事(ベジタリアン・ヴィーガン・ペスカタリアンの食事法)を実践している、またはそれに努めていると報告した回答者について、その人口割合を5カ国で比較し、社会人口統計学的な特性との相関を調べる。
方法: 国際食料政策研究 International Food Policy Studyの一環として、5カ国の成人41,607人(オーストラリア7926人・カナダ8031人・メキシコ8110人・英国9129人・米国8411人)を対象として、2018年11月と2019年12月にオンライン調査を実施した。参加者は、自分がベジタリアン・ヴィーガン・ペスカタリアンのいずれかに該当するか、また赤肉・肉類すべて・乳製品について、過去1年間で摂取を減らすように努めたかについて回答した。ロジスティック回帰では、これらの行動について、国や社会人口統計学的サブグループの間で違いがあるかどうかを調べた。
結果: 回答者の約10人に1人がベジタリアン・ヴィーガン・ペスカタリアンの食生活を送っていると回答し、5カ国における人口割合はカナダの8.6%から英国の11.7%までとなっていた。過去1年間で赤肉の摂取を減らすことに努めた人の割合は、オーストラリアの34.5%からメキシコの44.4%まで、すべての肉類を減らすように努めた割合は米国の27.9%からメキシコの35.2%まで、乳製品を減らすことに努めた割合は、英国の20.6%からメキシコの41.3%までとなっていた。2018年と比較すると、2019年にはほとんどの国の回答者で動物由来の製品の摂取を減らす傾向が強まっていた。
社会人口統計学的な特性は国によって異なっていたが、全般的には、女性・教育水準の高い人・民族的にマイノリティの人ほど、肉を減らす食事を実践しているか、動物由来の食品を減らすことに努めている傾向が強かった。
結論: 回答者の半数近くが、肉を減らした食生活を送る、あるいは動物性食品を減らすように努めていたが、その割合には国や人口サブグループによって違いがあった。社会全体を対象としたアプローチや政策によって食肉削減を支援することで、動物に由来する食品の消費をさらに削減できる可能性がある。
Vanderlee Lana, Gómez-Donoso Clara, Acton Rachel B, Goodman Samantha, Kirkpatrick Sharon I, Penney Tarra, Roberto Christina A, Sacks Gary, White Martin, Hammond David
2022/05/11
Meat-Reduced Dietary Practices and Efforts in 5 Countries: Analysis of Cross-Sectional Surveys in 2018 and 2019