論文概要
肉を食べるのを控えることがアニマルウェルフェア・環境・人間の健康などの面から望ましいことは、多くの人が認めている。しかし、食肉消費の削減を普及させるための戦略としてどのような形で促すのが最も効果的なのかについては、未だよくわかっていない。
本研究ではこの問題について探るため、肉を減らした4種類の異なる食事制限を雑食の参加者に処方して7日間の遵守を求め、その後の肉の消費量の変化を経時的に調査した。この食事制限には、ベジタリアン食の1種類とフレキシタリアン食の3種類(牛肉と羊肉の摂取制限・鶏肉の摂取制限・すべての肉の摂取制限)が含まれる。その結果、遵守期間における肉の摂取量にはグループ間で顕著な差があり、ベジタリアン食のグループはフレキシタリアン食のグループよりも肉の摂取量が有意に少なかった。
遵守期間が終了した後の数週間では、すべてのグループにおいて肉の摂取量はベースラインに比べて減少しており、この摂取量の減少幅には経時的に見てグループ間で有意な差はみられなかった。また、肉や動物に対する参加者の態度も介入前から介入後にかけて変化しており、肉を食べることへのこだわりや正当化する態度が弱まったことが肉の摂取量に見られた変化を媒介していた。
これらの結果から、一定の遵守期間が終了した後であっても、食事制限は参加者の食肉消費と態度に何らかの影響を与えることが明らかになった。しかし、最初にどのような戦略を採ったかに関わらず、肉の消費量には同じように持続的な減少が見られた。
Brodie C. Dakin, Ann Ee Ching, Elliot Teperman, Christoph Klebl, Michoel Moshel, Brock Bastian
2021/08/27
Prescribing vegetarian or flexitarian diets leads to sustained reduction in meat intake