論文概要
培養食品には食品産業を大きく変える可能性があるが、これまでの研究の大半は培養肉に焦点を当てており、他の培養食品に関してはあまり考慮されていない。またこのため、販売を促進するうえでは、培養食品の種類によっては他とは異なるアプローチが適しているのではないかという疑問もある。
従来の知見に見られるこうしたギャップを解決するため、我々は2つの研究を実施し、製品のタイプ(培養肉と培養フルーツの比較)と便益のタイプ(倫理面と官能・栄養面での優位性の比較)が、培養食品を試したいという消費者の意欲においてどのように作用しているかを探った。
研究1の結果から、培養肉の販売促進には倫理面での便益を強調することがより効果的であるのに対し、培養フルーツの販売促進には製品属性に関する便益を強調することがより効果的であることがわかった。製品と便益のタイプの間で見られたこうした交互作用においては、行動を動機づける要因として好奇心が強く働いていることがわかった
本研究の結果は、培養食品のタイプに合わせてマーケティング・メッセージを仕立てる必要があることを強く示唆しており、好奇心が培養食品に対する受容において重要なメカニズムであるという知見をさらに拡張するものである。
Luis Arango, Denise M. Conroy, Amy Errmann, Felix Septianto
2024/02/22
Cultivating curiosity: Consumer responses to ethical and product benefits in cultured foods
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