論文概要
畜産業は温室効果ガス排出およびその他の有害な環境負荷を引き起こす主要な原因であり、この事実は動物性食品の消費から移行する必要性があることを強く示している。プラントベースの食事をデフォルトの選択肢にすることは、ナッジを用いた介入方法の一つであり、効果が期待できる。持続可能な食生活の変化をもたらすこのアプローチについて、4つの大学で開催された6回のイベントで有効性を検証した。
プラントベース食または肉を使った食をデフォルトとする2種類の回答フォームのいずれか一つを無作為に配布し、参加者はそこから食事を事前に選択した。ランダム化比較試験の結果、プラントベース食をデフォルトの選択肢として提示した場合、参加者が選択する確率は43%高くなった。。同様の効果はイベントや大学が異なっても得られたことから、デフォルト設定によるこうした介入は一般化可能であり、大学のイベントで実施すれば効果があることがわかった。
6回のイベントでプラントベース食をデフォルトにした場合に推定される削減効果の総計は、CO2 排出量で104,387 kg、土地使用量で 299.9 m2、窒素使用量で 959.0 g、リン使用量で 259.5 gであり、肉をデフォルトとした食事と比較して、環境への悪影響を全体で45~46.2%削減することに相当する。
環境面で得られるこうした便益は重要なものであり、その効果も大きいことから、本研究の結果は、プラントベースのデフォルトを広く導入し、大学において持続可能性を向上させる取り組みを支持するものである。
Angela W Zhang, Christopher Wharton, Sara Cloonan, Renate Boronowsky, Varun Magesh, Ilana Braverman, Alejandra Marquez, Heather Leidy , May C Wang, David A Cleveland , Jennifer Jay, Chad Stecher
2024/09/01
Changing the default meal option at university events to reduce harmful environmental impacts: Six randomized controlled trials