論文概要
学校給食システムは、プラントベースの食事を推進することによって、より持続可能な食糧システムへの移行に貢献できる。保護者が子供のためにベジタリアン給食を増やすことを望んでいるかどうかを知ることは、実施を成功させるための必要条件である。本研究の目的は、子供のためにベジタリアン給食を増やすことを選ぶ親の割合を推定し、そのような家族の特徴や食品選択の動機を調べることである。
ディジョン(フランス)の学校食堂に子どもを登録している保護者を対象としたオンライン調査を実施し、子どもに関する情報・家族の社会人口統計学的特徴・家族の食習慣と食品選択の動機などに関するデータを収集した。ベジタリアン給食の頻度を週1回から週2回または毎日に増やすことへの意欲に関わっている家族の特徴を調べた。ベジタリアン給食の頻度を週1回から週2回または毎日に増やすことに関して、このような選択を望む家族の特徴を調べた。
一般化線形モデルによる分析を行った。子どもの総人数1261名に対して、49%の保護者が子どものために週2回目のベジタリアン食を望み、26%が毎日のベジタリアン食を望んでいた。より多くのベジタリアン食を選ぶ意向のある保護者は、高学歴、フレキシタリアンまたはベジタリアンである傾向があり、また現状でも子どもには豚肉不使用の食事を選ぶ傾向を示し、子どもが学校の食堂に通う頻度は低かった。
週2回目のベジタリアン食を選択する意欲は、環境への配慮と正の相関があり、(ベジタリアン食の)親しみやすさや感覚的な魅力とは負の相関があった。毎日のベジタリアン食を選択する意欲は、健康およびアニマルウェルフェアに関連した動機と正の相関があり、感覚的魅力とは負の相関があった。学校給食においてベジタリアン食の頻度を増やすことで、保護者からの要望を満たせると思われるが、同時に(感覚的魅力などに関して)ベジタリアン食を摂る喜びを高めるための介入策も必要である。
Justine Dahmani, Sophie Nicklaus, Lucile Marty
2023/11/25
Willingness for more vegetarian meals in school canteens: Associations with family characteristics and parents’ food choice motives in a French community