論文概要
環境や健康、食の安全についての懸念が高まるなかで、代替肉の利点が注目されつつある。計画的行動理論の拡張モデルに従えば、代替肉を購入する消費者の意思には、消費者個人の態度・主観的規範・行動の統制感が関係しているが、本研究ではこれらに対して代替肉のどのような側面がプラスの影響を与えるかを検討した。さらに、消費者の持続可能性に関する教育水準について、このモデルにおいてモデレーティング効果があるかどうかを分析した。
韓国の消費者から得られた合計319件の回答についての分析から、(健康・栄養面で優れていることなど)健康に関する代替肉の属性は、消費者の態度、主観的規範と行動統制感をいずれも向上させることがわかった。環境に関する属性は、消費者の態度と行動統制感を向上させたが、主観的規範には有意な影響を及ぼさなかった。
また、主観的規範は(代替肉に関して)肯定的な態度へと繋がっており、代替肉を購入する意思は態度と行動統制感によって向上した。我々の分析では、行動統制感と購入する意思には正の相関があり、持続可能性に関する教育によってこの関係がさらに強まることがわかった。
本研究の結果は、代替肉に関する消費者の反応を体系的に理解するための統合的な枠組みを提供するものである。ここで用いたモデルは、代替肉が持つ重要な他の属性を探索するうえで有用であり、こうした属性を利用すれば消費者からより肯定的な反応を導き、消費の促進へと繋げることができる。
Jang, Ha-Won, Meehee Cho
2022/04/19
What Attributes of Meat Substitutes Matter Most to Consumers? The Role of Sustainability Education and the Meat Substitutes Perceptions