論文概要
畜産は、環境に対して大規模かつ多様な負荷をかけており、その大半を占めているのは牛肉である。そのため、牛肉を資源効率の良い代替食品に置き換えることは有益である可能性がある一方、栄養の面では相反することもあり得る。
我々の研究結果によれば、容易に入手可能なプラントベース代替食品によって、アメリカ人の平均的な食事に含まれる牛肉と同等のタンパク質を摂ることが可能であり、血中コレステロールや中性脂肪などの脂質プロファイル・主要ビタミン・ミネラル・微量栄養素を含む栄養プロファイルのほとんど全てを改善できる。さらに、代替食のために必要となる資源は、牛肉を含む食事との平均で比較した場合、土地で10%、温室効果ガス排出量で4%、反応性窒素では6%に過ぎない。
これを3億2,000万人のアメリカ人に当てはめた場合、牛肉からプラントベースへの転換により、年間9,100万エーカーの農地(および7億7,000万エーカーの放牧地)、2億7,800万トンの二酸化炭素、370万トンの窒素を節約できる。これらによって、国家規模における環境負荷のうち、27%・4%・32%をそれぞれ節約することが可能となる。
Gidon Eshel, Alon Shepon, Elad Noor, Ron Milo
2016/07/07
Environmentally Optimal, Nutritionally Aware Beef Replacement Plant-Based Diets.