論文概要
食肉は、植物性のタンパク源に比べて大量の資源を消費するため、これに代わって効率の良いプラントベース食品に置き換えていくことは有益と考えられる。しかし、そのためにはプラントベース食品によって必要な栄養を十分に確保できる必要がある。
本研究では、タンパク質を十分に含有し、肉に代わって栄養源としての主な必要条件を厳密に満たせるプラントベース食品は存在し、農地・窒素肥料・水利用・温室効果ガスの排出を最小限に抑えるとともに、公衆衛生を改善できる可能性があることを示す。
我々が開発した新しい方法によれば、栄養学的に必要でプラントベース食による補給が難しい成分を特定し、カロリー・質量・一価不飽和脂肪酸・ビタミンB群(B3・B6・B12)・ビタミンD・コリン・亜鉛・セレンを切り分け、これらを偏らせて配合することで食生活を最適化できる。
こうして設計されたプラントベース代替食品は、豆腐・大豆・ピーナッツ・レンズ豆が主な原材料としている。これを食肉に置き換えることによって、米国内には牧草地がなくなり、食糧のために必要な農地・窒素・温室効果ガス排出のうち35~50%を削減できるが、食糧生産のための灌漑に必要な用水量は15%増加する。他の選択肢でこれと競合し、多面的に資源利用を同程度に削減できるものはほとんど存在しない。
Gidon Eshel, Paul Stainier, Alon Shepon, Akshay Swaminathan
2019/08/08
Environmentally Optimal, Nutritionally Sound, Protein and Energy Conserving Plant Based Alternatives to U.S. Meat
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2022/09/15発表