論文概要
食肉の生産・消費には環境に対する大きな負荷を伴うことから、新しいプラントベース代替肉の重要性は高まっている。しかし、ヨーロッパにおいてプラントベース代替肉の消費量はいまだ低くとどまっている。プラントベース食品の消費への障壁となっている主な要因のひとつとして、情報に対する消費者のニーズがある。ソーシャルメディア(SM)は、さまざまな情報を迅速に広めるうえで有用であるが、そこで得られる情報は誤っていることもあり、消費者に懸念を与えている。
そこで本研究では、特に雑食およびフレキシタリアンの人々において、肉の消費を減らそうという姿勢とプラントベース代替肉を購入する意思との関連が、SMを使うことによって媒介されているかどうかを検討した。ヨーロッパ10カ国の参加者6869名からデータを収集した。SMに関連する要因として、プラントベース食品に関する情報を探すためにSMを利用する可能性、SMで得られたプラントベース食品に関する情報への信頼度の2つを媒介因子として検討した。
少なくとも30%の回答者では、SMからの情報を利用し、信頼する可能性が高かった。媒介分析において有意な部分媒介 (p < 0.001) が見られたのは、肉の消費を減らそうという姿勢に関する直接効果、およびプラントベース代替肉を購入する意思に関する間接効果であった。
本研究の結果は、ヨーロッパの人々がプラントベース代替肉を選んで肉の消費を減らそうという態度を形成するうえでSMがどのよう作用しているかを明らかにし、SMによってプラントベース代替肉の選択に向けた意思を促進できるかに関して実証的な知見を提供する。
Listia Rini, Simoun Bayudan, Ilona Faber, Joachim Jietse Schouteten, Federico J.A. Perez-Cueto, Kai-Brit Bechtold, Xavier Gellynck, Michael Bom Frøst, Hans De Steur
2023/11/30
The role of social media in driving beliefs, attitudes, and intentions of meat reduction towards plant-based meat behavioral intentions.