論文概要
コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックがもたらした壊滅的な被害を受けて、感染症のリスクを高める行動に対して詳細な検証が進められている。危険な伝染病の予防に有効であることがわかっているワクチンの接種を拒否することは、そのような行動のひとつである。個人が自ら危害から身を守る必要性や、社会に危害をもたらすことに加担しない、さらに公平性を確保するといった理由から、倫理学者の間では、個人には予防接種を受ける義務があるというコンセンサスが広がりつつある。
この同じ理由から導かれる同様の義務として本稿で論じるのは、現在販売されている食肉は、そのほとんどを買い、食べるのを避けるべきであるということであり、これはただ人類の福祉に対する懸念のみを根拠として主張するものである。
食肉消費は感染症の主要な原因である。生鮮食品市場における野生動物の販売、ブッシュミート・ハンティング*、集約飼養施設における工場畜産はすべてきわめて危険な行為であり、疾病の蔓延を助長し、人類社会に膨大な被害をもたらしている。もしワクチン接種を受ける道徳的義務があるとすれば、我々には食肉のほとんどを避ける道徳的義務もあることを認識するべきである。本稿では最後に、このような義務が政策に与える影響について考察する。
* アフリカやアジアなどの熱帯雨林地帯で、野生動物を狩猟して肉を食べる行為
Ben Jones
2022/11/22
Eating meat and not vaccinating: In defense of the analogy
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2022/09/15発表