論文概要
本研究では、肉を食べるのを減らしプラントベース食品を増やす意向に関係のある要因を特定することを目的とし、肉を食べることについての考え方・肉を食べる習慣・主観的規範・アイデンティなどとの関連を検証した。コンピュータによるウェブ調査を用いて、ポーランドの成人1003名を対象として横断研究を2023年に実施した。予測変数を測定するために用いたツールは、信念と食習慣に関する質問票、肉へのこだわりに関する質問票、肉を食べることに関する主観的規範よびアイデンティに関する尺度である。
ロジスティック回帰分析を用いて独立変数間の関連を検証し、翌年からプラントベース食品を増やし、肉を減らす意向の強さを従属変数とした。その結果、多くの回答者は、肉の消費を減らすというよりは、プラントベース食品の消費を増やしたいと考えていることがわかった。こうした意向が多く見られたのは、女性、高齢者(肉食を減らす意向のみ)、教育水準の高い人(プラントベース食品を増やす意向のみ)である。
プラントベース食品を増やし、肉を減らそうという意向は、食生活においてプラントベース食品を摂っていること、肉に対する否定的な感情、環境志向のアイデンティティなどの要因によって強められており、その一方で肉を食べることに喜びを感じている場合には弱くなっていた。さらに、食生活において肉を食べる頻度が高いことや肉を食べることに関する主観的規範などの要因によって肉を減らす可能性は弱まっていた。プラントベース食品を増やす意向を予測できるような要因は見出されなかった。
結論として、教育・宣伝活動によって食品消費と環境の関連に対する認識を高めれば、肉を減らし、プラントベース食品を増やすうえで大きな効果がある可能性があり、肉食が強い習慣となっている人々であってもこうした効果を期待できる。
Marzena Jeżewska-Zychowicz, Marta Sajdakowska, Jerzy Gębski, Małgorzata Kosicka-Gębska, Krystyna Gutkowska
2024/05/27
Predictors of Eating Less Meat and More Plant-Based Food in the Polish Sample