論文概要
世界的な政策目標の達成に必要となる食生活の変化を促すためには、財政政策によるインセンティブは重要である。欧州諸国では、健康と環境に関連する食品には付加価値税が課されることが多く、その税率は軽減されるもののゼロではなく、最高税率のおよそ半分の税率となっており、これによってインセンティブとディスインセンティブの両方を消費者に提供することができる。
経済・健康・環境に関するモデリングを統合した我々の分析では、食品に対する付加価値税は、肉と乳製品に対する税率の引き上げ、および果物と野菜に対する税率引き下げを含む税率の改革によって、ほとんどの欧州諸国において食生活を改善し、健康・環境・経済の面で利益をもたらす可能性がある。
健康面での改善が主に果物と野菜に対する付加価値税率の引き下げによってもたらされたのに対し、環境と歳入における便益の大部分は肉と乳製品の税率の引き上げによってもたらされていた。
以上の研究結果から、健康と環境に対する影響を考慮した付加価値税率の差別化によって、欧州におけるより健康的で持続可能な食生活への変化を支援できると考えられる。
Marco Springmann, Eugenia Dinivitzer , Florian Freund, Jørgen Dejgård Jensen, Clara G Bouyssou
2025/01/09
A reform of value-added taxes on foods can have health, environmental and economic benefits in Europe
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