論文概要
食品の選択が環境や健康に及ぼす影響について、消費者の認識は高まりつつあり、消費行動に変化をもたらしている。本研究では、ヨーロッパの消費者における代替肉の消費パターンと消費行動について調査し、代替タンパク源としての受容に影響している要因を明らかにする。2024年のミンテル消費者データベースからフランス・ドイツ・イタリア・スペインを含む欧州4カ国の参加者5000名に関するデータを抽出した。
その結果、これらの国々では消費者の50%以上が赤身肉の摂取量を減らしており、とりわけドイツではヴィーガンの食生活を遵守する消費者が多いことがわかった。全体として、女性は男性とは大きく異なり、肉の消費量が少なく、肉の摂取を制限する傾向があり、肉の消費を減らすことに対する関心がより強かった。若い世代に比べて、(1946年から1964年に生まれた)ベビーブーマー世代では肉の消費量が多く、肉の摂取量を減らすことへの関心も低かった。
肉の消費削減を促すうえで最も重要な要因は、経済や持続可能性の面でメリットがあることを理解することであった。さらに、代替肉を購入する際に特に好まれ考慮されていた点は、地元で生産された製品であること、肉のような味と食感があること、天然素材であることなどであった。代替肉製品としては、フランス・イタリア・スペインでは、魚を代替する食品が高く評価されており、ドイツでは肉・鶏肉を代替する食品にパン粉・衣をつけた製品が最も人気のある選択肢となっていた。
これらの結果は、市場調査の担当者や食品業界にとって重要な知見であり、より健康的で持続可能な消費行動への転換を促し、魅力的かつ持続可能な代替タンパク質を供給するための指針を提供するものである。
Muhammad Adzran Che Mustapa, Yasmina Baba, Smita Dash Baishakhy, Zein Kallas
2025/01/12
Evolving Appetites: Current Evidence and Future Perspectives in Terms of Meat Substitutes in Europe