論文概要
薬剤耐性菌の存在は社会が直面する大きな課題のひとつであり、多くの医療行為を妨げる現実的な脅威となっている。抗生物質は畜産においても使用されているが、そのことが薬剤耐性菌を増加させる潜在的な経路となっている。ここで最も重要な課題は、抗生物質の有効性を長期的に確保するとともに、動物の健康と福祉を守ることである。
本稿では、英国の大手スーパーマーケット4社の顧客5693人を対象として、食用動物に抗生物質を使用することに関する選好と態度を調べ、さらに動物の福祉と人間の利益とのバランスをどのように実現するかについての見解について調査した。
この調査から得られた結果は、これまでに他国で行われた調査の結果と一致しており、農業における抗生物質の使用と薬剤耐性菌について、消費者は概して限られた知識しか持っておらず、約50%の消費者は多くの質問に対して「知らない」と回答していた。抗生物質を使うことの便益に関しては合意があり、畜産動物における疾病の治療に抗生物質を用いることは全体として悪影響よりも便益が大きいことを消費者の40%が認めていた。
しかし、消費者の44%は賛成でも反対でもなかったことから、この問題に関する不確実性は高く、状況が不安定であると考えられる。薬剤耐性菌の存在は深刻な問題であり、投与する対象をより選別して抗生物質を使用するように継続して取り組む必要がある。
Katherine E. Adam, Ann Bruce
2023/10/16
Consumer Preferences and Attitudes towards Antibiotic Use in Food Animals
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