論文概要
アメリカ全土の産業資源から排出され焼却されるメタンは、地球規模の気候変動の主な原因となっている。メタンをエネルギー源とする細菌 (メタン資化性菌 methanotrophic bacteria)は、こうしたメタンを、タンパク質を豊富に含む有用なバイオマスに変換することができ、動物の飼料に配合することに関してはすでに承認されている。
水産養殖業は急速に成長しているが、メタン資化性菌から得られる添加物は良好なアミノ酸プロフィールを持ち、海洋で捕獲された魚類に由来する魚粉を代替することができるため、乱獲による漁業への需要を減らすことができる。ここでは、廃水処理施設や埋立地、石油・ガス施設から発生する滞留メタンを利用して、メタン資化性菌のタンパク質を生産することがもたらす可能性について、経済的な観点から分析した。
その結果、米国だけでも世界の魚粉市場の14%に相当する生産が現在の技術で可能であり、そのコストは現在の魚粉の価格(1トン当たり約1,600米ドル)以下となることがわかった。感度分析では、冷却に要するコストや労働要件に関するコストの削減が技術的・経済的に実現可能であることが明らかになった。従って、米国からの滞留メタンのみで魚粉に対する世界の需要を満たすことができる可能性がある。
Sahar H. El Abbadi, Evan D. Sherwin, Adam R. Brandt, Stephen P. Luby & Craig S. Criddle
2021/11/22
Displacing fishmeal with protein derived from stranded methane
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