スウェーデンにおける植物性代替食・ホールフードへの移行がもたらす持続可能性への効果

Sustainability benefits of transitioning from current diets to plant-based alternatives or whole-food diets in Sweden

Anne Charlotte Bunge, Rachel Mazac, Michael Clark, Amanda Wood & Line Gordon

2024/02/01

https://www.nature.com/articles/s41467-024-45328-6

論文概要

 

植物由来の代替食品(PBAs)は、食生活の一部として急速に普及しつつある。ここでは、スウェーデンの食生活において、動物由来食品(ASF)をPBAまたはホールフード(WF)に置き換えた場合の環境・栄養・経済への影響を調査する。質量とエネルギーによる2つの機能単位を用いて、PBAまたはWFをベースとしてヴィーガン・ベジタリアン・フレキシタリアンの食事を選んだ場合に予想される影響をモデル化した。その結果、PBAを多く含む食事は、温室効果ガス排出量(30-52%)、土地利用量(20-45%)、淡水使用量(14-27%)を大幅に削減し、このうちヴィーガン食が最も削減可能性が高いことが示された。ASFをWFに置き換えた場合にも環境面で同等の効果が観察され、ASF消費を削減する必要性を強く示す結果となった。PBAは、ビタミンB12・ビタミンD・セレンを除き、北欧諸国の栄養摂取ガイドラインで推奨される基準のほとんどを満たすとともに、鉄・マグネシウム・葉酸・食物繊維の供給を強化し、飽和脂肪を減少させる。1日あたりの食費に関しては、PBAではわずかに増加し(3-5%)、WFでは減少する(4-17%)ため、PBA食はWF食に比して10-20%ほど高価となった。以上から、ASFをPBAに置き換えることによって、現在のスウェーデンの食事が環境に与える影響を減らすことができること、同時に栄養摂取についてのほとんどの基準を満たすことができるが、食事にかかる経費はわずかに増加することが示された。我々は、ASFの削減を優先するとともに、食生活の移行における消費者の多様な嗜好に応えるために、WFやさらにより健康に良いPBAを多様化することを推奨する。

 

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