より公平かつ効果的な炭素税

A fairer and more effective carbon tax

Peter Dietsch

2024/10/11

https://doi.org/10.1038/s41893-024-01429-0

論文概要

 

人々の現在の消費行動は、技術の現状を考慮すれば、地球温暖化を2℃未満に抑えるという目標とは相容れない。カーボンプライシング(炭素価格)*は、人々に消費行動の調整を促すための最も効率的な手段として、経済学者によって提唱されている。

炭素税は、化石燃料を多量に必要とする消費を抑制するための課税措置であり、カーボンプライシングの重要な形態のひとつであるが、本稿ではこれを倫理・経済・政治の観点から批判的に検討する。

ここで核となる中心的な主張は、個人に対する累進的な炭素税(すなわち、発生させる排出量が多い人ほど税率が高くなる税制)は、現在広く導入されている定額の炭素税よりも効果的であるばかりでなく、より公正であるということである。

* 食肉の生産と消費が温室効果ガス排出に大きく影響するため、炭素価格を導入することで肉の価格が上昇し、消費を抑制する可能性がある

 

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