ほぼベジタリアンから完全ベジタリアンへ: 肉食の忌避における社会的アイデンティティの表現

From mostly vegetarian to fully vegetarian: Meat avoidance and the expression of social identity

Daniel L. Rosenfeld, Hank Rothgerber, A. Janet Tomiyama

2020/04/28

https://doi.org/10.1016/j.foodqual.2020.103963

論文概要

 

雑食の人々は肉を食べ、ベジタリアンは肉を食べない。この意味で、ベジタリアンと雑食という二分法は明瞭なものであると思われる。しかし、ベジタリアンと雑食というこうした分類では、肉の摂取を制限しながらも食生活に肉を取り入れる人々、つまりフレキシタリアン(「フレキシブル」と「ベジタリアン」を組み合わせた言葉)と呼ばれる「ほぼベジタリアン」の食生活を送る人々が見落とされている。米国におけるフレキシタリアンの割合は人口の約20%から30%と推定されているにもかかわらず、フレキシタリアンが自らの食の選択をどのように捉えているかについてはほとんどわかっていない。

本研究では事前登録された研究(参加者718名)において、心理面におけるフレキシタリアンと完全なベジタリアンの違い、フレキシタリアンが完全なベジタリアンになることを受け入れるかどうかを予測する要因を明らかにした。すべてのテストにおいて、肉食を避けることは様々な側面で人々の社会的なアイデンティティとなっており、肉食を避ける動機とともに重要な要因として特定された。肉食を避ける人々が現在および将来の食の選択をどのように捉えているかについて、本研究の結果は、社会的なアイデンティティという現象としてこの問題を理解できる可能性を示唆している。

 

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