グラフィック警告表示で食肉消費を減らせるか?

Can graphic warning labels reduce the consumption of meat?

Jan Andre Koch, Jan Willem Bolderdijk, Koert van Ittersum

2021/10/01

Can graphic warning labels reduce the consumption of meat?

論文概要

 

赤身肉は「発がん性の恐れあり」、加工肉は「発がん性あり」と分類し、タバコ製品に使われるような警告ラベルを食肉製品に貼ることを求めた。これらのラベルは、問題となる行動に伴う健康リスクについて人々に情報提供するもので、通常は嫌悪感を誘発するグラフィックな画像(黒くなった肺の写真など)が添えられている。嫌悪の感情は、食肉に対する消費者の態度に影響を与える効果的なツールであることが示されているが、このような嫌悪を喚起するグラフィック警告ラベルが、食肉消費を減らそうという人々の意図にも影響を与えるかは不明である。

2つの実験では、グラフィック警告ラベルは、人々に嫌悪感を喚起することで現在の食肉消費量を減らす意思を強めることが明らかになった。しかし警告表示は、嫌悪感を誘発すると同時に反発を引き起こす可能性もあり、人々がグラフィック警告に操られていると感じると、逆に食肉削減の意思が減退することも考えられる。そこで最後の実験では、このような反発を避けるため、嫌悪感を誘発する情報をトリビア(豆知識)のような形で提示し、この情報が操作であると気づかれないようにした。この方法を用いることで嫌悪感は、食肉消費の意思に影響を与える強力なツールとなる。倫理的な懸念についても考察する。

 

別のFACTを探す