ベジタリアン食に関する米国・栄養食事療法学会の見解

Position of the Academy of Nutrition and Dietetics: Vegetarian Diets

Vesanto Melina, Winston Craig, Susan Levin

2016/11/22

https://doi.org/10.1016/j.jand.2016.09.025

論文概要

 

米国・栄養食事療法学会では、適切に計画されたベジタリアン(ヴィーガンを含む)の食生活は健康的で栄養として十分であり、また特定の疾病の予防と治療に役立つ可能性があるとの見解に立っている。これらの食事は、妊娠期・授乳期・乳児期・小児期・青年期・高齢期・スポーツ選手など、ライフサイクルの全ての段階において適している。

プラントベースの食事は、動物性食品を多く含む食事に比べて自然資源の利用や環境破壊が少ないため、環境面での持続可能性がより高い。ベジタリアンやヴィーガンでは、虚血性心疾患・II型糖尿病・高血圧・一部のガン・肥満などにおける健康リスクが低い。

ベジタリアンやヴィーガンの食事の特徴は、飽和脂肪の摂取が少なく、野菜・果物・全粒穀物・豆類・大豆製品・ナッツ類・種子類(いずれも食物繊維とフィトケミカルを多く含む)を多く摂取することであり、これによって総コレステロール値とLDLコレステロール値が低下し、血糖値を良好にコントロールできる。これらの要因は、慢性疾患の減少にも寄与している。ヴィーガンは、栄養強化食品やサプリメントなど、ビタミンB12を確実に摂取できる供給源が必要である。

 

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