ヴィーガンをデフォルトにできるだろうか?大学キャンパスの食習慣を変えるプラントベース・デフォルト

Can you default to vegan? Plant-based defaults to change dining practices on college campuses.

Joel Ginn, Gregg Sparkman

2023/12/26

https://doi.org/10.1016/j.jenvp.2023.102226

論文概要

 

  • ヴィーガンのデフォルト化は、カフェテリア施設における食事の選択をシフトさせる
  • ヴィーガン・デフォルトによって、介入したカフェテリアでのプラントベース・フードは58.3%増加した
  • 肉の消費量は推定で21.4-57.2% 減少し、総食事量は26.1%減少した
  • 1食あたりの食事量の減少は、肉の消費量の減少に比べ、その減少幅が小さかった

この研究の目的は、大学キャンパスでの食習慣を変えるためにプラントベースを食事の標準(デフォルト)としたケースに関する検証である。研究では、3つの大学のカフェテリア施設における3ヶ月間にわたるフィールド実験を分析している。これによって先行研究の様々な限界を解決して結果の本質を明らかにするとともに、現実の環境において肉がデフォルトではなく顧客が他の選択肢を利用できる場合へ一般化するうえで有益である。

この効果は、顧客の満足度を損なうものではないと思われる。すなわち、介入した施設における満足度に関する調査では、自己選択による効果という可能性はあるものの、ヴィーガン料理がデフォルトとなる日にいくらか向上していることがわかった。この研究は、食事環境におけるデフォルト変更による介入によって、食肉消費の削減-気候変動を緩和するために個人レベルで最も影響力のある行動のひとつ―に対してプラスの効果をもたらす可能性があることを示している。動物性食品の消費削減は、持続可能性の目標達成への鍵であり、食事におけるデフォルト介入は、このような行動の転換を促進する上で重要な役割を担いうる(https://psycnet.apa.org/record/2024-47215-001 より)

 

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