中国の高齢者における死亡率とプラントベース食との関係

Plant-based dietary patterns in relation to mortality among older adults in China

Hui Chen, Jie Shen, Jiaqi Xuan, Anna Zhu, John S. Ji, Xiaoran Liu, Yaying Cao, Geng Zong, Yi Zeng, Xiaoxi Wang & Changzheng Yuan

2022/03/07

https://doi.org/10.1038/s43587-022-00180-5

論文概要

 

プラントベースの食事パターンは、健康や環境に及ぼす影響の観点から望ましいとされているが、死亡率との関連についてはさらに探索する必要がある。本研究では、中国の縦断健康長寿調査 Chinese Longitudinal Healthy Longevity Surveyに登録された65歳以上の成人13,154人(女性57.4%)を対象としてこの問題を検証した。食物摂取頻度調査票(簡易版)で収集した食事データから、プラントベース食総合指数(PDI)、健康的なプラントベース食指数(hPDI)、不健康なプラントベース食指数(uPDI)を算出した。

五分位のグループ間で比較した場合、PDI と hPDI が最も高いグループの参加者は、最も低いグループと比較して全死亡リスクが低下していた(PDI に関するハザード比* HR = 0.92, 95%CI 0.86 – 0.98; hPDI に関する HR = 0.81, 95%CI 0.76 – 0.87)。一方、uPDIのスコアが最も高い参加者グループでは全死亡リスクが17%上昇していた(95%CI 0.09 – 0.26)。植物性食品のうち、新鮮な果物・新鮮な野菜・豆類・ニンニク・ナッツ類・茶が主要な予防因子となっていたが、保存野菜と砂糖は死亡リスクの上昇と関連があった。

これらの結果から、総合的にプラントベース食品の割合が高いこと、および健康的なプラントベース食品の割合が高いことは、死亡率を低下させるうえで有益であるといえる。食生活に関する公衆衛生の指針では、プラントベース食品の量だけでなく、その質が重要であることを強調する必要がある。

* 単位時間当たりにイベントが発生する相対的な危険度(ハザード比が0.92の場合、危険度は0.92倍となる)

 

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