中国消費者における代替肉・代替乳の需要を牽引する食の価値観

Food values drive Chinese consumers' demand for meat and milk substitutes

Jiayu Sun, David L Ortega, Wen Lin

2023/02/01

https://doi.org/10.1016/j.appet.2022.106392

論文概要

 

動物性食品を代替する食品の消費は拡大しつつあり、世界の食糧システムの持続可能性に大きな影響を与える可能性がある。本研究では代替肉・代替乳製品に対する需要を促進する要因を特定するため、世界最大の消費市場である中国において、食に関して消費者が抱いている価値観を調査した。

中国の消費者3015名から得られたデータからは、代替肉・代替乳製品に対する需要を牽引しているのは、環境への影響やアニマルウェルフェアといった、食に関わる社会的な価値観であることがわかった。我々の推定では、都市部の食品買い物客のうち約35%が、こうした製品に対する潜在的な市場を形成していると考えられる。プラントベース代替肉は、豚肉のように消費者の依存性が強い製品に対しては価格面で競争しなければならないが、牛乳のように依存性の弱い製品に対してであれば、代替乳製品は市場において付加価値を獲得できる可能性が高い。

こうした市場において代替肉・代替乳製品の消費が弱まれば、畜産に由来する中国の温室効果ガス排出量は 3.4%減少することから、食糧システムの持続可能性が向上するだけでなく、屠殺される動物を減らし、動物性食品の消費に伴う健康面のリスクを低減できる可能性がある。

 

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