論文概要
代替タンパク質は、持続可能な食品として従来の食肉を代替することが期待されているが、消費者にはまだ十分に受け入れられていない。消費パターンを世界的に変化させるためには、さまざまな消費者における認識や嗜好を理解することが不可欠である。子どもたちは将来の消費者となることを考えれば、代替タンパク質を子どもたちがどのように捉えているか、保護者からの影響とともに明らかにすることは変化を促すうえで重要である。
本研究では、シンガポールの子ども(9~15歳)とその保護者(38~56歳)のペア19組を対象として半構造化フォーカスグループを実施し、1.プラントベース代替肉・培養肉・昆虫由来のタンパク質に対する理解・認識、2.消費を促進する要因と消費を阻んでいる障壁について探索した。データ分析には帰納的アプローチ(再帰的テーマティック分析)および演繹的アプローチ(行動のための能力・機会・動機に関するCOM-Bモデルによる)を採用した。
全体として、培養肉や昆虫由来タンパク質に比べて、プラントベース代替肉に対する認知度・受容度が高いことがわかった。ほとんどの子どもは、全ての代替タンパク質食品に対して好奇心を示し、特にプラントベース代替肉や培養肉がどのように従来の食肉と似ているのかを理解したがった。保護者らは、代替タンパク質が食生活にバラエティーを与える機会であることを認めながらも、代替タンパク質の自然さや、これらの製造に用いられる新しい技術に対して懸念を抱いていた。昆虫由来のタンパク質に対しては恐怖感や嫌悪感が見られたが、歴史的に昆虫が食されてきたことから、子供たちと保護者らは、これを安全なものと考えてはいた。
また、味・コスト・健康への影響に関しても、子どもと親の双方でよく議論された。今回の調査結果は、代替タンパク質を子どもと保護者が受け入れ、消費することに影響を与える主な要因を明らかにし、ターゲットを絞った介入策の開発に役立てることができる。
Nandini Anant, Arunika Pillay, Siti Amelia Juraimi, Florence Sheen, Anna Fogel, Mary F-F. Chong, Benjamin P.C. Smith, Aimee E. Pink
2025/02/06
“It's most likely gonna be the future”: A qualitative study exploring child and parent perceptions of alternative proteins